| 第2回 女子サッカーの現状/彼女たちがやってきたこと、やろうとしていること |
「やりました!日本、アジアの強豪を破り、アテネへの切符を手にしました!」
スタジアムにいながら、アナウンサーの声が聴こえてくるようだった。2004年4月24日、女子日本代表と北朝鮮の一戦である。
TVでは初の生中継。聖地、国立競技場には大観衆が詰め掛け、蒼き戦士たちに声援を送った。
31,324人。この数字は昨年のワールドカップ出場を決めたメキシコ戦の3倍ちかくにあたる。
それほどこの試合には注目が集まっていた。負ければアテネオリンピック出場への道が閉ざされてしまう。
そして相手は世界でもトップクラスといわれる北朝鮮。しかし、彼女たちは自らの力で出場権を見事に掴み取った。
メディアでも数多く取り上げられ、今では選手たちの知名度も一気に上がった。
だが、彼女たちはプロの選手ではない。普段はサッカー以外の仕事に就いているアマチュアなのだ。
現代表選手の中で唯一プロになっているのは、アメリカのアトランタ・ビートに所属している澤穂希(ほまれ)のみである。
しかし、アメリカにしか存在しない女子のプロリーグも、現在は財政難のため無期限の中断中。それに伴い、澤も古巣である日テレ・ベレーザに一時復帰している。
これほどまでに女子サッカーの現状は厳しいものなのだ。
一口に女子サッカーといっても、レベルはフィジカルを除けば男子のそれに引け劣らない。
ところが、昔はやはり偏見もあったようだ。胸トラップ禁止という、今では考えられないような特別ルールも存在した。
たったそれだけでも、ワントラップからのボレーシュートが見られなくなったりと、プレーの幅が狭くなってしまう。
ところが、今では女子も男子と変わらないルールで試合が行われるようになった。5号球を使用し、時間も90分。もちろん、ピッチもゴールも同じサイズ。当然、男子と比べてしまうとその差は明らかだが、決してレベルは低くはない。
協会も女子サッカーの認知度を高めるため、そして代表の強化のために力を注いでいる。
来月からはLリーグも開幕する。
現在のLリーグは入場が無料ということにも関わらず、観客が驚くほど少ない。
多いときでも1,000人に満たないほどだ。
彼女たちの残した功績を称えるためにも、是非ともスタジアムに足を運んでみてはどうだろうか。
2004.5.28 佐藤俊太郎 |
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